日本衛生学会 The Japanese Society for Hygiene

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・・・2014(平成26)年学術総会を終えて・・・

2014年5月30日

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日本衛生学会 理事長
東京大学大学院医学系研究科
健康環境医工学部門 教授
遠山 千春

 2014(平成26)年5月25日から27日まで岡山で開催された第84回学術総会(学術総会長、大槻剛巳 川崎医科大学教授)では、「凝視(みつ)めれば、愛」のテーマの下で、例年同様、多くの会員の参加を得て終了しました。衛生学は「生を衛る」学問領域であり、環境・健康・人々への愛がこの学問領域の存在意義の根底にあるということを、「ポスターの少女が凝視める先の愛」に託した、大槻学術総会長の思いが込められた、学術的には広範で深く、そして楽しい総会でした。スマホ・タブレットの抄録集へのオンラインアクセス、託児所の設置、多くの自由集会など、新たな試みの総会ともなりました。ご参加いただいた先生方はもとより、関係の諸団体、そして主宰者の大槻先生とご協力を賜った全てのスタッフの方々に厚く御礼申し上げます。

 さて、2012(平成24)年3月の京都での学術総会のときに現執行体制が承認され、昨年の金沢の学術総会を経て、2年あまりが経ちました。日本衛生学会を一層発展させていくためには、Consider、Challenge、Createという標語を念頭におきながら、学会運営に務めてきました。すなわち、学会の活動状況、ならびに学会の制度と組織のあり方、さらには健全な学会経営について、良く考え (Consider)、新たな試みを果敢に行い (Challenge)、その試みを新たな事業として創っていく (Create) ということです。ここで特に申し上げたいことは、理事の各先生方が、会計・企画委員会、選挙制度検討委員会、倫理委員会、広報委員会、若手活性化委員会はじめ様々な委員会で、非常に熱心に実務を担当してくださっていることです。理事・監事、および事務支局の皆様に厚く御礼申し上げます。

 この2年間、理事会は、様々な活動をしてきました。学会の体制の問題では、長年にわたり会費未納であった会員の退会措置を取りました。会費納入は学会員の責務の基本であり、財政の健全性を保つためにも必要と考えたからです。また、会則の改定、ならびに役員選挙制度の改定に取り組み、今回の評議員会・総会で承認していただきました。学会活動の根拠である会則を時代に即して見直し、また、理事会・評議員会・会務総会の運営、ならびに学会の諸活動を公正かつ明示的に行えるように会則の改定を行いました。その際、日本衛生学会は任意団体であることから、会則による規定が、学会活動の円滑な遂行と発展のために過度な負担とならないように配慮しました。例えば、定足数を定めたため、委任状の取り方等についての内規を定めることになりますが、その際に、厳格過ぎて学会活動を縛らないよう、会員各位のご賢察とご協力をお願いすることになると思います。選挙制度については、理事定数を定め、四国を独立させて8地区としたこと、単記無記名投票としたこと、会計監査を廃し監事として任務を明確にしたこと、理事長の選挙では所信表明を事前にすることを義務づけたこと、選挙制度検討委員会と選挙管理委員会を分けて役割を明記したことなどが主要な点です。この新たな規程のもとで、今秋には役員選挙を行うことになります。

 学会活動の対外的な発信と広報活動では、Environmental Health and Preventive Medicine 誌と日本衛生学雑誌のオンライン化を進めてきました。EHPM誌の最初のインパクトファクターは2016年夏には付く予定です。アジア諸国などからの投稿も増えており、引き続き日本学術振興会予算の獲得と国際発進力強化・オンライン化促進を目指します。その他、e-Bookなどの取り組みも予定されています。ウェブサイトも新たな装いとなり、メーリング機能により、日本衛生学会から会員各位に有用な情報をお届けする仕組みを作りました。また、日本学術振興会の科研費の細目変更に伴う問題では、関連学会とも連携して活動して一定の成果を得ています。

 その他、詳細は、総会資料(URLはこちら)を御覧くださるようお願いいたします。

 

 個人的な問題で恐縮ですが、2013年10月末に肺がんで右肺下葉摘出の手術を受けました。同年8月初めに人間ドックの健診結果がでて、精密健診のため呼吸器内科を受診しました。X線CT、MRI、PETなどの精密検査の結果、右肺下葉の抹消部分に13mmほどの影があり、おそらく腺がんで転移は無いだろうとのことでした。専門的には、TNM分類、つまり、原発Tumorの大きさのTが1, 近辺リンパ節への転移のNが0, 他臓器転移のMが0で、総合診断Iaとのことでした。摘出した組織検査の結果、当初の診断通り、TNM分類Iaの腺がんとのことでした。薬や放射線による治療の必要は全くなく、時々、経過観察を受けています。現在は、スポーツジムで以前と同じように運動しています。個人の事例から一般化をすることにはご批判もあるかと思いますが、日本衛生学会の二本の柱、Environmental HealthとPreventive Medicineそれぞれの重要性を改めて感じています。従来、末梢部分の腺がんは、喫煙との関係は分かっていませんでしたが、最近では、受動喫煙との関係性も指摘されているとのことですし、定期的な健康診断が重要だろうと思います。

 さて、今後、日本衛生学会を発展させるためには、学術レベルの質の向上と量の拡大が不可欠です。先に述べたように、会員の皆様が活動しやすいプラットフォームを築き運営することは理事会の役割です。学会活動の活性化と発展のために理事会がお役にたてることがあれば、事務局、あるいは最寄りの理事の方にご相談ください。

 しかしながら、魅力ある学術の質の向上と量を拡大させることは、会員の皆様、お一人お一人の積極的な取組が最も重要であることは言うまでもありません。今回の学術総会の自由集会では、例えば、若手有志の会のシンポジウムや自主的交流が活発に行われていました。今後とも、会員の方々が物理的年齢に関係なく、「凝視めれば、愛」を念頭にチャレンジングな取組をしていただきたいと思います。また、名誉会員はじめ経験ある会員からは、新たな試みに対して「愛をもって凝視めつつ」、ご指導くださるようお願いいたします。

 2015(平成27)年3月和歌山の学術総会(学術総会長、宮下和久 和歌山県立大学教授)が衛生学の進歩に裏打ちされた魅力あふれる会合となるよう、会員各位のご研究の発展を祈念しております。