日本衛生学会 The Japanese Society for Hygiene

学会運営・対外業務・理事会関連業務等【事務局】
〒606-8501
京都市左京区吉田近衛町
京都大学大学院医学研究科
環境衛生学分野
TEL : 075-753-4456
FAX : 075-753-4458
e-mail : eisei_office@nacos.com
登録・会費・雑誌発送・会計に関するお問い合わせ【事務支局】
〒602-8048
京都市上京区下立売通小川東入ル
中西印刷株式会社
学会フォーラム内
TEL : 075-415-3661
FAX : 075-415-3662
e-mail : jsh@nacos.com
【会費振込先(郵便振替)】
00990-5-84512 日本衛生学会
論文投稿関係
【EHPM】
BioMed Centralカスタマーサービス
(日本語対応可能)
TEL : 03-4533-8238
e-mail : japan@biomedcentral.com

【日本衛生学雑誌編集事務局】
e-mail : editorial_office@nacos.com
 
 

理事長挨拶

理事長挨拶

2015年4月27日

tohyama_photo2

日本衛生学会 理事長
京都大学大学院 医学研究科
環境衛生学分野 教授
小泉 昭夫

 

日本衛生学会の歴史と学術的貢献  

 日本医学会の一部会として明治35年(1902年)に「衛生学・細菌学・伝染病学」と連合し、昭和4年(1929年)に日本連合衛生学会をもって第一回の大会をもち、日本衛生学会が発足しました。昭和24年(1949年)に日本衛生学会に名称変更し、本年で、86年を迎えることになります。

 日本衛生学会は、部会のころから入れますと、我が国の社会医学の中にあって113年の歴史を有し、最も歴史が古い学会です。日本衛生学会では、人間・環境・健康の学術研究を行い、その成果をもとに脚気の撲滅、重大公害問題(水俣病、イタイイタイ病、四日市喘息、土呂久ヒ素汚染、六価クロム被害、アスベスト被害など)で、予防施策や、手法を開発し、提言してきました。現在においても、会員は、実験的手法を用い先端的な成果を挙げたり、環境保健では、社会的に重要な成果に貢献をしたり、数学モデルなどを用いて感染症を予測するなど学術活動の間口は幅広く、多様な人材が世代を超えて交流する場となっております。

 

現在の日本衛生学会をとりまく状況

 学術活動の中心をなす、学会誌におきましては、大きな改革がなされてきました。日本衛生学雑誌は、昭和21年(1946年)から刊行され昭和36年にはPubmedにIndex 化されました。また、国際化の情報発信が必要であるとの判断から、1996年から英文誌EHPMが刊行され、その後Online Journal化となり、2013年にはMedlineに掲載、2016年にはImpact Factorがつきます。また、学術総会は本年で85回を数え、多くの学術成果が発表されてきました。

 この一方、全国の医学部においては、社会医学系2講座があった1980年代から、国立大学の法人化や定員削減の影響を受け、講座のスクラップアンドビルトが進み、社会医学系講座が1分野となり、研究者の人口そのものが減少し、衛生学会の会員数も減少してきました。近年は、学会の創意工夫により会員の減少も下げ止まりとなっておりますが、なお昔の勢いの挽回にはなっておりません。

 

精力的に取り組みたい課題

 この様な過去の歴史と現在の状況を考え、今期の理事会での重点項目として以下の4点を掲げたいと思います。

1.専門医(職)制度

2.若手育成

3.女性の活躍

4.EHPM のOpen Access化

 1の専門医制度の問題ですが、医療改革の一環として行われた今回の改革で、2017年以降すべての医師はいずれかの専門を有して活動することになりますが、この中に社会医学は現状では含まれておりません。日本衛生学会の歴史をみますと、我が国の社会医学は、医師の学術振興団体として発足した経緯があります。従って、専門医制度の中で専門領域として社会医学がぬけ落ちたことは、社会医学は医学でないと特定したことになります。この問題は、単に医師というある一職種の会員の問題にとどまらず、社会医学の領域における人材育成や教育、研究など存続に関わる本質的な問題を孕んでいます。他の社会医学系の学会などと連携を密にして理事の皆様、会員の皆様とともに、この問題に取り組みたいと考えます。また、若手育成につきましては、専門医制度を明らかにする過程でキャリアーパスを明確にするお手伝いをするとともに、学術活動においても現在の方針をさらに発展させる方向で取り組みたいと考えております。また女性の活躍につきましても、より一層の取り組みを行いたいと思います。さらにEHPMにつきましては、学術活動の大きな柱として編集委員会と共同しOpen Access化を進め、既に開設しているChina Officeを生かしアジアの社会医学の基幹ジャーナルとして世界の中で存在感を高めたいと思います。

 

衛生学への思い―「衛生・究理・啓迪」の場としてさらなる発展を

 最後に、これら課題をやり遂げるための思いですが、「衛生・究理・啓迪」という3つの熟語をあげさせていただきたいと思います。これらの言葉は、純国産の古典からとった言葉です。「衛生」は、我が国最古の予防医学書、丹波行長による「衛生秘要抄」(1289年)由来です。さらに、「究理」は小石元俊や華岡青洲が好んで用いた言葉です。最後の「啓迪」は、曲直瀬道三により開設された我が国初の身分にかかわらず入学できた医学校-啓迪院(1577年)-に由来し、世に広めることを意味します。これらの言葉を思いとして、衛生学の学術を極め、世に広める場として、日本衛生学会がさらに発展することを祈念しております。会員の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 また、最後になりますが、社会医学に少しでも興味のある、大学院生・研究者の皆様、会員として本学会に参加されることを大いに歓迎いたします。是非一度、学会やEHPMをのぞいてみてください。

 


 遠山 千春 (理事長任期:2012年3月27日-2015年3月28日)
 理事長退任挨拶・・・2015(平成27)年第85回学術総会を終えて・・・
 2014(平成26)年第84回学術総会を終えて 2014年5月
 日本衛生学会の更なる発展を目指して ―理事長就任のご挨拶― 2012年4月