2020年12月28日

1 はじめに

衛生学は、古くから個や集団の疾病発症をいかに予防するか、という実践的課題に応える学問として発展してきました。
そもそも衛生学は、環境と病因の相関関係を包括的に理解し、健康維持増進を目指す学問であります。
学会の目的(ミッション)は、実験研究と疫学研究を有機的に連携し、健康に関する様々な課題の解決に役立て、社会に貢献することです。

 

2 コロナ禍の感染対策

COVID-19が流行する状況のなか、科学的エビデンスを踏まえた実践的な感染予防対策が必須であります。
手指衛生やマスク着用などとともに、感染疫学に基づいた密閉・密集・密接の3密回避をはじめ集団感染防止策の徹底が強く呼びかけられております。
特に、衛生学的には環境と人との関わりに着目した対策が極めて重要と考えます。
社会全体として感染対策を行ううえで、感染拡大防止と医療や社会経済への影響に対するバランスのとれた対応が求められています。
また、感染リスクおよび感染予防策に関する一般住民や社会集団との適切なリスクコミュニケーションが必要であります。

 

3 日本衛生学会として

既に多くの学会員が新型コロナウイルス感染対策に関係する研究および対策に従事しています。
今後は、感染対策に関係する研究を強く推進していくとともに社会で実践する人材の育成が急務と考えます。
この度、EHPMのFeatured PaperとしてCOVID-19に関する総説を掲載しました。[論文リンク

今後もEHPMにCOVID-19に関する総説等の論文を意欲的に掲載していきます。

あわせて、2021年1月には衛生学エキスパート制度が発足し、人材育成の一環に繋げていきます。

 

4 最後に

学会の総力を尽くしてCOVID-19対策に一層寄与していくことを宣言いたします。

 

 

[参考資料]

日本衛生学会COVID-19に関するアンケート調査結果(調査期間:2020年10月23日~11月4日)