背景と目的

衛生学は、古くから個や集団の疾病発症をいかに予防するか、という実践的課題に応える学問として発展してきました。感染症対策、栄養改善、職業病と生活習慣病の予防、高齢者保健、環境保健など対象も拡がり、疫学的方法に加えて物理、化学、微生物学、生化学、分子生物学、情報科学など常に最先端の科学的手法を用いて問題解決をはかってきました。今後、人々の健康増進やQOLの向上における重要性が一層増すとともにその大きな役割が求められています。
 人間の生(命)を衛る衛生学は予防医学の一つであり、社会組織に働きかけることで疾病を予防することを目的とし、そこで用いられる手法は多岐にわたります。そのために、医学だけでなく理学、工学、農学、薬学、社会科学、行政など様々なバックグラウンドを有する実践家と研究者が、広く環境・リスク・予防を含む現実の課題解決のために必要な最新の知識・技能を身に着け、社会に反映させることが必要です。
 衛生学を実践あるいは支援できる人材を養成し、社会に貢献することを目的として、日本衛生学会は衛生学エキスパート制度を発足します。本制度では、衛生学分野において継続して自己研鑽する会員を評価・認定することにより、専門性の維持・向上を目指します。

期待される効果

国民全体の衛生意識の向上
衛生学の認知度向上
衛生学分野の研究者・実践者の質の向上
衛生学分野の研究者・実践者の増加
個人のQOLの向上
社会の健全な発達を支援
就職や昇任においての活用

本制度で認定する名称

日本語名:衛生学エキスパート
英語名:Environmental Health and Preventive Medicine Expert