役員選考規程改正案に対するパブコメへの回答

2014年3月24日

選挙制度検討委員会

岩崎賢一(日本大学)

川本俊弘(産業医大)

城戸照彦(金沢大学)

委員長 車谷典男(奈良医大)

 

 日本衛生学会選挙制度検討委員会では、標記の「役員選考規程」について検討をすすめ、理事会にて審議をしてまいりました。2014年1月20日に改定案について「パブコメ」をお願いしていたところです。会員4人から貴重なパブコメをいただきました。去る2月22日の理事会で頂戴したご意見をそのままの形で紹介し、検討させていただきました。

 以下に、回答を記します。なお、ご氏名は匿名とさせていただきます。ご了解をいただきますよう、お願い申し上げます。

 

<意見

 会員の一人として、お世話になっています。御礼を申しあげると共に、理事選出について、コメントを寄せて頂きます。理事を地区ごと、という案に対し、分野ごとを提案します。というのも、衛生学は、医学分野だけでなく、薬学や健康に関する分野にも広がっています。最近は、環境衛生も一般的な分野になっていますが、端的に申し上げると測定、分析が不可欠で薬学が得意とするところでしょう。高齢社会では、看護学も無視できません。また、衛生学は、実社会と不可分に結びついており、法学分野の人材も望まれます。

 実際には、

1)会員の出身分野を学会が特定し、あるいは現在の専門領域を申告する。

2)分野(領域)別に会員数を勘案して、理事会が配分する、ことを提案します。

  

<回答1 

 先生のご意見が極めて貴重なご意見であるのは理事の一致した意見ではありましたが、一方で専門領域を具体的にどう分類できるのか、論議を進めてきた「地区制」との折り合いが理事定数などの点で困難ではないか、またこの5月早々にも次期選挙公示をしなければならない日程を考慮すると、各会員の専門分野に関する情報を今から収集して間に合わせることは現実的には不可能などの意見も出ました。結果的には、委員会としては貴重なご意見として受け止め、選挙制度の「次」の見直しのタイミング(いつかはお約束できないのですが)で論議することを後日に申し送るべく、この旨を議事録に書き留めることにいたしました。

 

 

<意見2>

 選挙制度に関する検討作業、大変ご苦労様に存じます。改正案を拝見しました。大変合理的な方法で敬服しました。基本的に賛成でございますが、2点ほどについてお尋ねします。パブリックコメントのまとめの段階で結構ですのでご教示いただければ幸いです。

1.理事になった後に、ご本人が「選挙地区」を超えて移動された場合にその後はどうなるでしょうか。(理事の地域代表の意義を保持するために。)たとえば、残任期間を異動後の地区で理事を継続されるのか、移動の時点で解任して欠員地区の次点者を繰り上げるのか、などの対応が考えられますが。

2.各地区の比例配分のための「有権者数」(会費完納者)の点検はいつ行うのか。選挙時期だけ行うのか、定期的に行うのか、など。あまり大きな変動はないと思いますが。

以上です。

 

<回答2>

 「理事に欠員が生じた場合」は想定し規定に書き込みましたが、先生のご指摘の点は未検討でした。理事会では「選挙地区」の位置づけを再認識する機会となりました。

 「選挙地区」の設定は、日本衛生学会の活動を全国に広く展開しようとする意図が背景にある。しかし、「理事は地区の利益代表」として選んでいるのではなく、あくまで理事として「ふさわしいか否か」で選出してもらっているはずである。有権者の立場に立った時、研究状況や学会員としての活動歴をより知っている方が理事適格者か否かを判断しやすく、「選挙地区」の設定はそのような判断材料を提供する役割も期待できる。

 つまり「選挙地区」の設定は選出方法のあくまで便宜的な区割りであるので、移動しても任期期間中は理事にとどまるのが適切、という判断になりました。また、任期途中で理事を交代した場合、後任理事の方の在任期間の扱いも判断が難しいことが議論されました。すなわち、残任期間がわずかでもそれを1期と数えれば、理事は連続2期までとの制約で、実質的に26年できないことになります。例外的に許すことも検討の余地はありますが、整合性が付きにくいと思われます。

 したがって、条文の修正はありません。ただ、後々の判断に混乱がないように、「移動しても理事にとどまる」旨を理事会の議事録として書き留めることにいたします。

 2つ目のご指摘ですが改正案の第2条第1項で「選挙年度の8月末時点で会費完納」云々と定めていますので、その時点で点検することになります。

 

<意見3>

 内容に特に異存はありません。

 

<回答3>

 ご賛同ありがとうございます。

 

 

<意見4>

 産業衛生学会の地方会や多くの臨床系学会の地方会のように、地区で学会活動をしていない日本衛生学会が、地区割りで選挙をしたり理事定数を決めること自体が不可解です。

 従って、提出されている理事会案には反対です。

 <回答4>

 本委員会は立ち上げて既に2年近くを経過しましたが、ご指摘の件については比較的早い段階で論議を済ませ、また、昨年の金沢での衛生学会の折に、「地区割り」で行うことを前提として論議を進めているとの中間報告を会務総会でもさせていただきました。

 理事会で賛否両論がありましたが、議事録としては次のようにまとめられています。

 全国区制の方が学会活動や研究業績に注目した投票行動になる可能性が高く、アカデミアをより重視した理事選挙となる、また地方会が存在しない状況下での地方区制のメリットはあまりないとの意見の一方で、学術総会は地方の持ち回りなので理事についても地方区制を残す方がよい、地方区であることが地方に一定の会員を維持させている側面もあり全国区にした時には会員数の安定性が崩れることの懸念があるとの意見があった。併用制については地方区選出者と全国区選出者が重なった場合に調整が必要となるため得策ではないとの意見が出された。

 このような意見を踏まえ、今回の提案に至っていることをご理解いただけますようお願いいたします。

                                        以上